はじめに：愛犬とできるだけ長く一緒にいるために
シーズーはその穏やかで人懐っこい性格から、日本でも人気の高い小型犬のひとつです。
そんなシーズーと一日でも長く、健やかに過ごしていきたい——それはすべての飼い主に共通する願いでしょう。
本記事では、シーズーの平均寿命や健康に関する傾向、病気のリスク、そして長生きのためにできる日々の習慣や注意点について、わかりやすく解説します。
子犬期・成犬期・シニア期と、ライフステージごとに気をつけたいポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
シーズーが「うちの子」である幸せな時間を、1日でも長くするための実践ガイドとしてご活用いただければ幸いです。
シーズーの平均寿命と長生きの傾向
シーズーの平均寿命は、およそ12歳〜16歳とされています。
小型犬の中でも比較的長寿な傾向があり、適切なケアをすれば18歳以上まで元気に過ごす子も少なくありません。
健康寿命（介護を必要とせず元気に過ごせる年齢）を延ばすためには、単に寿命を伸ばすことだけでなく、「最後まで快適に過ごせる生活環境づくり」が大切です。
たとえば、関節の負担を軽減するフローリングの対策や、適温に保たれた室内環境なども、健康維持に直結します。
長寿のシーズーに共通するポイント
- 栄養バランスのとれたフードを与えている
- 毎日の散歩や適度な運動を欠かさない
- 定期的に健康診断を受けている
- 飼い主とのスキンシップが豊富
- 室内環境が快適に保たれている
- 歯磨きなど日常ケアを習慣にしている
長寿のためには、特別なことではなく「小さなことの積み重ね」が何よりも効果的なのです。
シーズーに多い病気と体の弱点
シーズーは体が丈夫な印象を持たれることが多いですが、犬種特有の弱点やかかりやすい病気もいくつか存在します。
早期に異変に気づくためにも、飼い主がこれらの傾向を理解しておくことはとても大切です。
1.呼吸器のトラブル（短頭種気道症候群）
鼻ぺちゃの短頭種であるシーズーは、気道が狭く、いびきや呼吸の荒さが目立つ子がいます。
暑さに弱く、夏場の熱中症リスクが高いため、クーラーや冷感マットを活用した温度管理が必要です。
2.眼の病気（ドライアイ・角膜潰瘍など）
目が大きく突出しているため、ゴミが入りやすく乾燥しやすい構造です。
定期的に目薬を使うことで炎症を防ぎ、目やにが多い場合は早めに病院で診てもらいましょう。
3.耳のトラブル（外耳炎・耳ダニ）
垂れ耳で通気性が悪く、湿気がこもりやすいため耳の中が蒸れやすく、炎症の原因になります。
週に1〜2回の耳掃除を習慣にするのがおすすめです。
4.皮膚炎・アレルギー
皮脂の分泌が多く、アトピー性皮膚炎やマラセチア皮膚炎などを発症しやすい犬種でもあります。
かゆみや脱毛、赤みなどの症状が出たら早めに動物病院へ。
食事とシャンプーの見直しが有効です。
5.椎間板ヘルニアや関節疾患
比較的胴長短足な体型をしているため、ジャンプのしすぎや段差のある生活はNG。
シニアになると関節が弱くなるため、カーペットやスロープの活用も重要です。
長生きのためにできる生活習慣
日々の暮らしの中で、ちょっとした工夫を積み重ねることが、長生きの秘訣です。
食事：体質に合った栄養バランスを
年齢や体質に応じたフードを選びましょう。市販フードの中にもシーズーの被毛や皮膚の健康、消化器の働きを意識したものが多数あります。
- シニア期には関節ケア成分（グルコサミン・コンドロイチン）配合のフードを
- 食物アレルギーが疑われる場合は、原材料の見直しを
- おやつの与えすぎに注意し、体重管理を徹底
- 栄養補助サプリも上手に取り入れる
運動：無理なく毎日続ける
運動は筋力や代謝を保つだけでなく、ストレス解消や認知症予防にも効果があります。
- 朝夕15〜20分程度の散歩を目安に
- 気温の高い日・寒すぎる日は時間を調整
- 無理なジャンプやダッシュは関節を痛める恐れがあるためNG
- 散歩コースを変えることで脳の刺激にも
スキンシップとストレスケア
飼い主との信頼関係が深いシーズーにとって、精神的な安定は健康の基盤です。
- 毎日のブラッシング・声かけで安心感を
- 留守番時間を短くして不安を軽減
- 噛むおもちゃや知育玩具で脳の刺激もプラス
- スキンシップは体調チェックにも役立つ
年齢別・健康管理のポイント
子犬期（0〜1歳）
- 社会化期を大切にし、外の世界に慣れさせる
- ワクチン・フィラリア予防・ノミダニ対策を徹底
- トイレ・ハウスなど基本的なしつけをこの時期に
- 歯磨きやグルーミングを遊び感覚で覚えさせる
成犬期（2〜6歳）
- 食事・運動のバランスを習慣づけておく
- 年1回以上の健康診断を継続
- 歯磨きや耳掃除など、日常ケアを定着させる
- ストレスをためない環境づくり
シニア期（7歳〜）
- 年2回の健康診断＋血液・尿・レントゲン検査を追加
- 関節・内臓疾患のサインを見逃さない
- 食事量・運動量をその子に合わせて調整
- 介護が必要になる前から生活環境を整える
定期検診と病気の早期発見がカギ
「元気そうだから大丈夫」と油断せず、定期的な健康チェックが何よりも大切です。
特にシーズーのように見た目が穏やかな犬種は、多少の不調を隠してしまうこともあります。
- かかりつけの動物病院を持つ
- 年齢・症状に応じた検査項目を相談
- ペット保険の活用も視野に入れると安心
- 食欲や排泄など、日常の小さな変化に敏感になる
まとめ：毎日の積み重ねが「長生き」につながる
シーズーは飼い主にとってかけがえのない存在。だからこそ、食事・運動・環境・健康チェックといった日々の積み重ねが、結果として「長寿」へとつながっていきます。
特別なことをしなくても、愛情を込めて日常を丁寧に過ごすこと。
それが最も効果的で、シーズーにとっての“幸せ”でもあるのです。
シーズーに合ったライフスタイルを意識しながら、少しずつでも習慣を整えていくことが、愛犬の笑顔を長く守る秘訣です。
今日からできることから、ぜひ始めてみてください。
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