はじめに:かわいさと健康を保つ“毎日のお手入れ”がカギ
シーズーのふわふわの被毛は、その見た目の魅力だけでなく、健康のバロメーターでもあります。
被毛が汚れていたり絡まっていると、皮膚トラブルの原因にもなりかねません。
特にシーズーは「ダブルコート」と呼ばれる被毛構造をしており、日常的なお手入れや定期的なトリミングが必要な犬種です。
本記事では、毛質に合ったお手入れの頻度や内容、シャンプー・カットの基本、自宅でできるケアのコツまで詳しく解説します。
毎日のお手入れが愛犬との信頼関係を築き、健康寿命を延ばす第一歩となります。
シーズーの毛質の特徴とお手入れの重要性
シーズーの被毛は、上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の2層から成る「ダブルコート」です。
上毛は長くまっすぐで、柔らかくシルクのような手触り。
一方、アンダーコートは密集していて保温・保湿の役割を果たします。
ダブルコートの特徴
- 絡まりやすく毛玉ができやすい
- 抜け毛は少ないが、伸び続ける
- 湿気がこもると皮膚炎やかゆみの原因になる
つまり、トリミングやブラッシングを怠ると、被毛がフェルト状に絡まり、皮膚が蒸れて炎症を起こすこともあるのです。
特に湿度の高い日本の気候では、より一層の注意が必要です。
さらに、毛に覆われた顔まわりや目の周囲は汚れが溜まりやすく、目やに・涙やけ・感染症を引き起こす可能性があります。
美しさと健康、両方の観点から毎日のケアは欠かせません。
トリミング頻度の目安とプロに任せるべき理由
トリミングの頻度
- 理想:月1回(3〜4週に1回)
- 最低でも:6週以内に1回
毛の伸びが早いため、放置すると目が隠れたり、排泄時に不衛生になったりする可能性があります。
体温調整にも影響を与えるため、定期的なカットは健康管理の一環と考えましょう。
トリミングで整える部位
- 顔まわり(目元・口元)
- お尻・肛門まわり(排泄トラブル予防)
- 足裏(すべり防止)
- 全身バランス(サマーカット・テディベアカットなど)
プロに任せるメリット
- 肛門腺絞りや耳掃除も一緒にしてもらえる
- シャンプー・ドライ・カットまで一貫ケア
- 毛玉や皮膚の異常にもすぐ気づいてもらえる
- 犬の扱いに慣れたトリマーによる安心感
- 自宅ケアが難しい高齢犬や敏感な子にも対応可能
自宅でできるお手入れとその頻度
毎日のお手入れが健康維持につながります。
愛犬と触れ合う時間としても大切にしたい習慣です。
ブラッシング
- 頻度:毎日または1日おき
- 道具:スリッカーブラシ、コーム
もつれや毛玉を防止するために、優しく丁寧に。毛玉ができた場合は無理に引っ張らず、少しずつほぐします。
ブラッシング前にスプレーで保湿することで毛の痛みを防げます。
目元のケア
- 頻度:毎日
目やにがたまりやすく、放置すると涙やけに。
ぬるま湯を含ませたガーゼや専用クリーナーでやさしく拭き取ります。
食事後や外出後もチェックし、汚れがあればすぐ拭き取るクセをつけると◎。
耳の掃除
- 頻度:週1〜2回
垂れ耳のため湿気がこもりやすく、外耳炎になりやすい。
耳掃除シートやイヤークリーナーでケアを。
赤みや臭いがある場合は獣医師に相談。
爪切り・足裏の毛カット
- 頻度:2〜4週に1回
爪が伸びすぎると歩行に支障が出るため、月1ペースで確認。
肉球の間の毛も滑り防止のため短くします。
散歩だけでは十分に削れないため、自宅での定期チェックが重要です。
シャンプーとドライの正しいやり方
シャンプーの頻度
- 目安:月1回〜2回(汚れ具合により調整)
- 洗いすぎは皮脂を落としすぎて乾燥の原因に
シャンプーのポイント
- 被毛をしっかり濡らし、ぬるま湯を使う(38℃程度)
- 低刺激・犬用のシャンプーを使用
- 目や耳にシャンプー液が入らないよう注意
- 二度洗いでしっかり汚れを落とす
- 洗い残しは皮膚トラブルの原因となるため、念入りにすすぐ
ドライのポイント
- タオルドライで水分を吸い取った後、ドライヤーで完全に乾かす
- 根元からしっかり乾かすことで皮膚トラブルを予防
- 毛の流れに沿って乾かしながら、軽くブラシをかける
- 風を当てすぎると乾燥や静電気の原因になるため、適温・適風量を心がける
季節ごとの注意点とスタイル提案
夏(暑さ対策)
- サマーカットで短めにカットし通気性をアップ
- 涼しい時間に散歩・室内でも熱中症対策(冷房・扇風機)
- 肉球の火傷を防ぐため、アスファルト温度に注意
- 皮膚が直射日光にさらされる場合は日焼け対策を考慮(Tシャツ・保湿ジェル)
冬(乾燥・静電気対策)
- 保湿スプレーや被毛オイルを活用・室内加湿器も有効
- 寒さに弱い子はお腹や足元の毛を残すスタイルも◎
- 洋服を着せると摩擦で毛玉ができやすいので、服の素材とサイズ選びも重要
- 暖房器具の前に長時間いると乾燥しやすくなるため注意
まとめ:お手入れは愛情の証、楽しく続けよう
シーズーのお手入れは、最初こそ手間に感じるかもしれませんが、慣れてくれば愛犬との大切なコミュニケーションの時間になります。
お手入れを通して、体の異常に早く気づくこともでき、健康寿命の延伸にもつながります。
小さな変化にも気づく“観察力”が育ち、トラブルの予防にもつながります。
「ふわふわで可愛いシーズー」を保つだけでなく、「健康で長生きできるシーズー」を育てるために、今日からできるケアを少しずつ続けていきましょう。
お手入れは“義務”ではなく“愛情表現”。無理なく楽しく、毎日の習慣にしていきましょう。

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